白いジャージ3 ~先生とバージンロード~




「先生、捕まえたぁ」




追いついた。




先生の背中に抱きついた。




「掴まったぁ・・・」




立ち止まる先生の体にぎゅっとしがみついて、風の音を聞いた。



桜の花の散った木々は、これから青々とした葉を伸ばす。




懐かしい音。




「先生、もう離さない」



「ああ。俺も・・・」





下足室まで走った。


懐かしい匂い。




誰もいない。




「どこだろう?誰もいねーぞ」



「体育館かな?」





体育館や中庭を覗いても誰もいない。




ふと校庭を見る。



「先生、アレ見て!!」




私と先生の目に映ったのは、校庭の真ん中に集まるみんなの姿。





先生は私の手をぎゅっと握り、みんなの元へ走る。




遠くからだったから、誰がいるのかよくわからなかった。


近くに来て、私と先生はまた感動した。




「新垣先生~!矢沢さん、おめでと~」




集まってくれたのは、3年のクラスのみんなだった。







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