白いジャージ3 ~先生とバージンロード~




「せっかく全員が集まってくれたから、久しぶりにホームルームでもするか」




先生は、腕まくりをして出席簿を腕に挟む。




「みんな今日は本当にありがとう。こうしてみんなの姿を見ているとあの頃と変わっていないようにも見えるが、やっぱりみんな変わってる。成長してるんだよな。制服や体操服もまだまだ似合うお前らだけど、心の中は確実に大人になってる」



私は制服を着たゆかりと依子に挟まれて、自分の制服姿を見た。


まだ似合うのかな、私達。




「お前達の2年間での成長に比べれば俺の成長なんてちっぽけなモンなんだけど、俺自身も少しは成長できたかなって思う。卒業式の日、俺は矢沢にプロポーズをした。でも、その時の俺は、まだ不安だった。今日のような日を迎えられるとは思っていなかった。・・・そんな自信はまだなかった」



卒業式にプロポーズしたんだ~ってみんながまた先生を冷やかした。



先生は、俺かっこいいだろ?なんて言いながら、出席簿を私達の方に向けた。



この仕草も当時、よくしていたね。


生徒に話しかける時、先生は出席簿を腕の間から離してこっちへ向ける。





< 378 / 391 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop