白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
「ゆかり、依子、ありがとう。大変だったでしょ?」
「どうしても学校でやりたくて。でも、5時までしか使えないって言われて、急がせちゃったけど・・・」
ゆかり、依子・・・
また忘れられない思い出が増えた。
「先生、せっかく全員集まったんだし、200メートル走しない?」
元陸上部の生徒が言い出して、みんなが乗り気になった。
ビデオ係のたっくんが、先生のドアップを撮りながら言う。
「1位の人には直ちゃんからのキスが待ってます!」
先生はたっくんの頭をぐいっと引っ張って、いい加減にしろ!と怒った。
「先生、1位になる自信ないの?」
「あるよ!あるけど・・・でも、俺ももう歳だし」
みんなが笑った。
「先生、頑張ってね」
私が声をかけると、先生は任せとけって手でガッツポーズをした。