白いジャージ3 ~先生とバージンロード~


「早めに全部決めておくと、後がラクですよ!この早さは私の担当したカップルの中でも断トツです!」



あまのっちは、案内状と引き出物のカタログを広げて、嬉しそうに言った。




「新婚旅行はどこに行くの?」



私と先生は顔を見合わせた。


そういえば・・・話したこと、なかったぁ。



どこでもいい。

だから、新婚旅行の行き先を話したことがなかったっけ。



「どこにする?」


先生は、きょとんとする私に聞いた。



「どこでもいい」



「そう言うと思った。とりあえず、海外だな!」



修学旅行の飛行機を怖がっていた私に、先生が言ってくれた言葉を思い出す。



『新婚旅行の時は、俺が隣で手を握っててやるからな』って。




先生がいれば何も怖くない。


先生が隣にいるだけで、私はすごく強くなれる。




「本当に仲良しね。次に来る時までに、DVDに入れる写真を用意して来てね!」


あまのっちは、にこにこしながら、エレベーターの前で私達を見送ってくれた。





着々と進んでいく結婚式の準備。


そして、私と先生の心の準備も・・・




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