白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
でも、そんな心配は必要なかった。
『たっくん』の存在が、全て。
「私も早く結婚するぞーー!直にも負けちゃったけど・・・」
「たっくんと先生も連れて来てね!」
依子は、思わぬ発言をして、私を混乱させた。
無理だよ。
だって、依子の結婚式にはクラスの子もたくさん来るだろうし・・・
私と先生のことを知っているのは、この2人だけ。
卒業したとは言え・・・無理だよ。
私は運ばれたパスタをフォークに巻きつけたり、落としたりしながら、頭の中を整理していた。
「心配しないで!高校の友達は、直とゆかりしか呼ばないから。お金ためたいから、チョーシンプルなレストランウェディングにするんだぁ!」
本当は、私と先生の結婚式のちょっと前あたりに結婚するはずだった依子と龍。
でも、子供っていう宝物のおかげでかなり早く結婚式を挙げることになった。
「実は、もう籍入れちゃったんだよ!」
その言葉に、私とゆかりは天井を見上げた。
2人とも思い浮かべることは同じ。
私も・・・
早く籍入れたい。
「いいなぁ・・・いいな、まじで羨ましい!!!」
ゆかりは、結婚が具体的に決まっていないせいか、ふくれっ面で私と依子を見た。
「結婚前にしか楽しめないこともいっぱいあるよ。だから、焦らなくていいんだって!」
依子の言葉は説得力があって、ゆかりもあっさりと「そうだよね~」とご機嫌になっていた。