白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
だって、先生がかっこいいからいけないんだよ。
先生は何気なくしているのかも知れないけど、ポケットに手を入れながら座席表を見るその姿も・・・たまらなくかっこいい。
「ん?何?」
首をかしげながら、私に顔を近づけるその顔も・・・
私とゆかりは、依子を手伝う為に、裏の方へと走って行く。
心配だけど・・・
大事な先生を残して。
「直ちゃん、ゆかりちゃん!!」
声をかけてくれたのは、依子のお母さんだった。
そして、その隣には・・・
あの雨の日に見た男性・・・依子の育てのパパである「お父さん」が立っていた。
「ゆかりちゃんと直ちゃんだね。2人がいなかったら、僕はここへ来ることが出来なかった。本当にありがとう!」
依子から聞いたお父さんとの思い出を思い出す。
いつも優しかったお父さん。
依子を「依ちゃん」と呼ぶお父さん。
お父さんのひざの上に乗って、テレビを見るのが好きだったって。
「来てくれてありがとうございます!!依子、喜ぶと思います!」
お父さんには、依子に見つからないように控え室で待っていてもらうことにした。
私とゆかりは、もうすぐ到着する依子と龍をエレベーターの前で待った。