白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
「直・・・早くお前の花嫁姿見たい・・・」
先生は、私の肩に手を回し、甘い声を出す。
「ありがと、先生」
私は先生の体に顔をくっつけた。
もっといろんな恋をすれば良かったなんて思わない。
私は、先生との恋が初めての大きな恋。
そして、その相手と結ばれる。
『もっといろんな恋愛した方が良かったんじゃない?』なんて言う人もいたけど、
そんな風に思わない。
もう出逢ってしまったから。
運命の人に。
「それではただいまから・・・」
結婚パーティーの始まりのアナウンスが聞こえて、私達は席につく。
華やかな音楽とライトの中、登場した龍と依子は、幸せそうな笑顔を振りまいてくれた。
龍と依子は、いつも同じ髪の色。
ダークブラウンの渋めの髪を、ツンツンに立てた龍。
依子は、肩までの髪をくるくると巻いて、お姫様のようだった。
私もゆかりも涙を我慢するのに必死だった。
依子の昔を知っているから・・・
こんなにも幸せそうな依子を見ていると、母親のような気持ちになってしまう。
『イケメン狩り』なんて呼ばれてた頃。
依子は、本当の恋愛から逃げて、軽い恋を繰り返した。
誰でもいいから自分を好きだと言う男性を常に近くに置いていた。
そうしないと、自分が存在する意味がわからなかったと依子は言ってたっけ。