白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
お父さんとの再会
「じゃあ、私のスピーチも考えてた?」
たっくんが注いだビールをグイっと飲み干した先生を見つめながら、聞いてみた。
「ん?お前の結婚する相手は自分だって思ってたから・・・ 自分の結婚式で話す内容を考えてたよ」
先生は、デザート取りに行くぞって立ち上がって、私はその場で溢れる涙をゆかりに拭き取ってもらった。
龍の職場の上司や同僚の挨拶、依子のバイト先の友達の歌などを聞きながら、私は自分の結婚式を想像した。
やりたいことはいっぱいあるけれど、とにかくみんなへ「ありがとう」を伝えたいんだ。
今、私と先生が幸せでいられるのは、本当にみんなのおかげだから。
「最後に、依子さんの親友であります中田ゆかりさんと、矢沢直さんからのスピーチです!」
緊張で手が震える。
「大丈夫だって!」
私の震える手を、先生がそっと握ってくれた。
「頑張れよぉ」
立ち上がった私の腰をポンっと叩いた先生。
私とゆかりは前に出た。
ありきたりのお祝いの言葉を軽く述べた。
メインは、この後…
「今日は、依子にサプライズプレゼントがあります。目を閉じてください」
龍は依子の両目をしっかりと手で隠した。
私は控え室にいるお父さんを呼びに行った。
依子が好きな洋楽がバックで流れていて、私はそれだけで涙が出そうだった。