白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
会場が少しざわついた。
誰?って思ってるよね、きっと。
私は、お父さんの腕を引いて、依子の前に立ってもらった。
「目を開けてください」
龍の目隠しから開放された依子は、目の前にいる大好きなお父さんを見つめたまま・・・
動けなくなっていた。
「お・・・とうさん・・・」
「依ちゃん・・・おめでとう。綺麗だよ!」
陽気な音楽がかき消された。
依子の泣き声で。
うわぁーんと子供のように泣いた依子をお父さんは優しく抱きしめた。
龍は、依子の頭を優しく撫でながら、困ったような表情をしていた。