白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
龍と依子の出逢いを作ったのは、ゆかりだった。
でも、私もゆかりもここまで来るとは思っていなかった。
やっと涙が一段落したお父さんが、マイクをぎゅっと握り締め、絞り出すように声を出した。
「依ちゃん・・・本当におめでとう。こんな綺麗な花嫁さんになって、本当に嬉しい。君が僕を必要とした時に、そばにいてあげられなくて、済まなかった」
お父さんは、龍によろしく頼むと言い、龍と握手をした。
その後、依子のお母さん手作りのいちごのケーキにケーキ入刀をした。
なかなか止まらない涙を、何度も先生が拭いてくれた。
それから、楽しい時間が流れて、2人は笑顔で退場した。
私とゆかりは、走って依子を追いかけた。
「依子ぉぉぉぉ!!」
「直・・・ゆかり・・・!!」
会場を出て行く依子を呼び止めると、依子は私とゆかりに抱きついた。
「本当にありがとう。まさか・・・また会えるなんて思ってなかったから」
依子は、輝くような笑顔をしていた。
「龍、あんたイイ男になったじゃん!」
「お互い様だよ!!」
龍とゆかりは握手で別れた。