白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
私達は会場の後片付けを手伝った。
依子と龍のいなくなった会場は、まだ幸せな余韻が残っていた。
「依子と龍らしいパーティーだったよね!」
照れ屋な2人は、結婚式の定番である、「キス」を拒んだ。
龍は顔を赤くしながら、「絶対やらねー」って怒っていたし、
依子も、恥ずかしいからしないで!って龍に言ってた。
「似てるよね、あの2人」
「うん、似てる。寂しがり屋な2人が・・・やっと幸せになれたね」
私とゆかりだけが知っている、依子と龍の孤独。
孤独な2人が惹かれ合ったのは、運命だったのかも知れないね。
家庭環境に恵まれなかった2人。
素直になれなかった2人。
人から誤解されやすい2人。
「これから幸せになるね、赤ちゃんと3人で!」
私とゆかりは、クラッカーのくずを拾いながら、目頭を熱くした。