白いジャージ3 ~先生とバージンロード~



私達は会場の後片付けを手伝った。


依子と龍のいなくなった会場は、まだ幸せな余韻が残っていた。



「依子と龍らしいパーティーだったよね!」



照れ屋な2人は、結婚式の定番である、「キス」を拒んだ。



龍は顔を赤くしながら、「絶対やらねー」って怒っていたし、

依子も、恥ずかしいからしないで!って龍に言ってた。



「似てるよね、あの2人」



「うん、似てる。寂しがり屋な2人が・・・やっと幸せになれたね」




私とゆかりだけが知っている、依子と龍の孤独。


孤独な2人が惹かれ合ったのは、運命だったのかも知れないね。



家庭環境に恵まれなかった2人。


素直になれなかった2人。


人から誤解されやすい2人。




「これから幸せになるね、赤ちゃんと3人で!」



私とゆかりは、クラッカーのくずを拾いながら、目頭を熱くした。






< 59 / 391 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop