白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
先生のご両親は、私の両親に何度も謝ってくれた。
「本当に、申し訳ないです。大変なご迷惑とご心配をおかけして。本当なら、もっと早くに挨拶に来なければならなかったのに」
「いえいえ、とんでもないです。和人君には、本当に助けてもらってばかりでね。謝らないでください、お父さん!本当に我が家にとって、大事な存在なんですよ!」
私のお父さんと先生のお父さんは、2人とも焼酎が好きだということで、焼酎を飲んだ。
どことなく、似ている先生の家族と私の家族。
誠人さんが昔不良だったと聞いて、お姉ちゃんはますます興味津々だった。
「あの時、兄貴にぶん殴られたこと今でも根に持ってるから」
「ははは・・・お前殴り返して来ただろ?生意気な弟だったよな」
中学時代に荒れていた弟を殴った先生は、今でもその日のことを覚えていると話していた。
先生は、やっぱり教師が向いている。
「先生・・・」
思わず口から出た。
みんなの視線が一斉に私に向けられた。
「直、どした?」
きょとんとした顔で先生は私に問いかける。
一瞬の沈黙の後、お姉ちゃんが言った。
「先生に見とれてたんでしょ?かっこいい、とか思ってたんでしょ~」
私は真っ赤になってうつむいた。
その通り・・・
「あらあら・・・直ちゃん、かわいいわね」
「ラブラブだなぁ、兄貴!」
私は、目の前にあったデザートのゆずシャーベットを一気に口に入れて、体の熱を冷ました。