白いジャージ3 ~先生とバージンロード~


なんだか真剣な表情をしたあゆみが、私をじっと見つめて、私は目をそらすこともできないくらいに緊張していた。



あゆみは、何か気付いているのかも知れない。



「要君には言ってない。要君は、先生に娘がいること知らないから」



あゆみは、そうだよね・・・と低い声で言い、またうつむいた。



「どうしたの?あゆみ!」



異変に気付いた美穂があゆみの顔を覗きこんで、肩に手を回した。



「そのこと・・・テルに話していい?テル、誤解してる。直が彼氏に風邪だってことを言えないのは、彼氏とうまくいってないからだって思ってる・・・」



状況が飲み込めない桃子と美穂は、あゆみと私の顔を交互に見ながら、首をかしげた。



「もしかして・・・要君って・・・」




桃子がその続きを言いかけた瞬間、あゆみは保健室を飛び出した。




あゆみは要君が好き。


要君は私を好きかも知れない。



そして、そのことをあゆみが知っていたとしたら・・・




「何となく、私もそうじゃないかって思ってたんだよね」


「うん・・・要君って直には特別優しいからね」



桃子と美穂は、随分前からもしかしてそうじゃないかと思っていたらしい。


私はたった数分前に気付いたばかり。


やっぱり私は鈍感なのかな・・・




「どうしよう」



私は2人の顔を見ながら、おろおろした。



崩れちゃうの?

この関係。


この4人の仲良し4人組プラス要君の関係。





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