白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
私はリビングのソファで、先生の夢を見ていた。
夢の中の先生は私のおでこに優しく手を当ててくれた。
あの夏の日の保健室のように。
「せんせ・・・苦しいよ・・・」
目が覚めると、ひどい汗をかいていて、必死で立ち上がりパジャマに着替えた。
時計は夜の10時を回っていた。
鞄の中に入れっぱなしだった携帯には、先生からの着信が2件。
かけ直そうかどうしようかと迷っていると、携帯が激しく震えた。
「もし・・・もし」
『直、お前・・・もしかして・・・・・・』
先生の真面目な声。
私の嘘を全部知ってるんじゃないかと思ってしまう。
「ごめんね、携帯鞄の中に入れっぱなしで・・・」
『そうか。直・・・どした?元気ないな。浮気かぁ?』
先生は、最後の『浮気かぁ?』っていう所だけ甘い声を出した。
携帯から聞こえる先生の声が私の体に染み込んでくるようで、涙が溢れた。