白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
「先生のばかぁ・・・」
『今、どこだ?誰といる?』
私は嘘がバレないように、テレビをつけ、騒がしい音を聞かせた。
「美穂と・・・桃子が・・・泊まりに来てる・・・ゲホゲホ・・・」
『直、風邪か?大丈夫なのか?桃子ちゃんか美穂ちゃんに電話替わって・・・』
私は2人ともお風呂に入っていると嘘を付いた。
でも、先生にはそんな嘘通用するわけがない。
『直、今から行くから待ってろ!』
「だめ・・・来ちゃ・・・だめ。ゲホゲホ・・・」
『正直に話しなさい。今、1人なんだろ?』
私はテレビを消し、静かなリビングで涙を堪えながら先生に謝った。
「ごめんなさい・・・先生・・・ごめんなさい。あのね・・・」
『言わなくていい。理由は聞かなくてもわかるから』
私は、ソファに顔をくっつけて、大きな声で子供のように泣き出した。
抱きしめたクッションが涙で濡れる。
「せんせ・・・ごめんなさ・・・」
『謝るな・・・直、風邪引いてんのか?』
「うん・・・先生・・・会いたいよ・・・」
本当は先生に一番に助けて欲しかった。
そばにいて欲しかった。
気付いて欲しかった。