白いジャージ3 ~先生とバージンロード~



体育が終わって後片付けをしている先生に近付いた。



言いたい。



―大丈夫ですか?


って。






でも、授業以外で話したことないし。


冷たくされるかも知れない。



「おい、やざ・・・ゲホ・・・」



声をかけようかと悩んでいた私に、先生が声をかけてくれた。


「矢沢の『ざ』が俺ののどとムズムズさせるんだよな・・・あ、矢沢、これ捨てておいて」



先生は校庭に落ちていたパンの袋を私に・・・


私に・・・


渡してくれた。





「あ、ありがとうございます!!」




ゴミを渡されたのにお礼を言う私を、友達も先生も笑った。



そして、歩き出して・・・でもやっぱり『大丈夫?』って言いたくて。




振り向いた。



目が合った。






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