Livre magic〜温もりと冷たさ〜
「この亡霊の放つ呪いに耐えられる奴はいねぇ!」

カズはそう言うが、物の怪は冷たい目で亡霊たちを鋭い爪で引っ掻く。すると、一瞬にして亡霊たちは消えていってしまった。

「クソ!!」

カズは爪を噛み、怒りに任せてどんどん亡霊やゾンビを召喚していく。しかし、どれだけの数で襲わせても、物の怪に傷一つ負わせられないのだ。

「今までの物の怪とは桁違いに強すぎる……!」

リオンが矢を放ちながら言う。その矢も軽々とかわされ、物の怪が手のひらに黒い光を集め始めた。

「な、何!?」

「次は向かうが攻撃をするつもりですね……」

エリカが怯え、シャルロットが冷静に分析をする。刹那、物の怪は黒い光が集まった手のひらを地面に向けた。黒い光が地面に落ち、猛スピードで広がっていく。

「うわぁぁぁぁぁぁ!!」

「きゃあぁぁぁぁぁ!!」

体に鋭い痛みが走り、リオンたちは悲鳴をあげて倒れた。全身がまるで針に刺されたかのように痛む。体の外側だけでなく、内側でも針が暴れ回っているような痛みをリオンは感じた。
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