134億光年先の君へ
──こちら、地点ABBF3.5。君の星から俺は見えますか。俺の声は届いていますか。言葉は通じるんだろうか。もし届いたら、何か合図してくれると嬉しい。それじゃあ。
星が綺麗な夜だった。
水彩絵の具が溶けて広がったような空からは、白く冴えた月が僕を見下ろして、街はその銀の光に縁取られているみたいだった。
冷たい空気が肺を焼くから、僕は自分の肺の位置を正確に知ることが出来た。
当たり前だけど、理科の授業で習ったところと同じところにあった。
手のひらから発せられる声に、僕は白い息を吐き出しながら視線を落とす。
それは何かの機械のように見えたし、柔く発光した生き物のようにも見えた。
星が綺麗な夜だった。
水彩絵の具が溶けて広がったような空からは、白く冴えた月が僕を見下ろして、街はその銀の光に縁取られているみたいだった。
冷たい空気が肺を焼くから、僕は自分の肺の位置を正確に知ることが出来た。
当たり前だけど、理科の授業で習ったところと同じところにあった。
手のひらから発せられる声に、僕は白い息を吐き出しながら視線を落とす。
それは何かの機械のように見えたし、柔く発光した生き物のようにも見えた。
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