134億光年先の君へ



僕は昔から、人と話すことが苦手だった。


問われることに上手く反応できない。


僕が言葉を紡ぐには、人よりもうんと時間がかかった。


だから、その間に話が進んでしまって、僕は自分の話したいことを伝えることが出来なくなってしまう。


幸い、学校はルールさえ守れば窮屈ではなかったし、家族は優しく、おとなしい僕を心配してくれた。


いじめられてもいない。幸せなことだと思う。


それでも、僕は孤独だった。


時々、水の中にいる時みたいに息が苦しくなって、せり上がってくる衝動から逃れたくなる。おなかの底に溜めていた感情が、一気に溢れ出てしまう。


そんな時、僕は小さな嘘を吐いて、夜陰に自分を溶かした。


メッセージはいつも灯台の傍に落ちていて、僕は学校の帰りに彼の声を聴くのが日課になった。
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