結果、恋をする。
重い足で補修のあっている教室へ戻る。
廊下の窓から中を見ると、大悟は机に顔をふせていた。
しずかにドアを開け、中に入り椅子へ座る。


「・・・・・・・・・・・。」


大悟は寝ていた。そんなに短時間で寝れるのは逆にすごい。


「大悟?」

「・・・・・・・・・・。」

「大悟、起きて!!」

「・・・・・・・・はるか・・・・。」

「-------・・・・・・。」


『はるか』初めて聞いた名前。
たぶん、きっと・・・はるかさんは大悟の彼女。

スヤスヤと眠り続ける大悟を見つめながら、私も大悟の顔のとなりに顔をふせてみた。


神様・・・。


私は別に大悟を彼女から取り上げようとなんて思っていません。


見たことのない『はるかさん』にやきもちを焼こうとも思いません。


ただ、少しだけ自分を見て欲しいとは思っています。


両想いにならなくていいから・・・。


今までと一緒でいいから。



大悟のまつげが長い。
鼻高いな・・・。口は薄い・・・。ひげは生えてないみたい。
ボーーっとながめていると大悟の目がゆっくりと開いていた。


「何みちょるん。」

「・・・え?何もしてない・・・。」

「寝起きを襲おうとしとるんか。」

「何もしてないってば!!!」


大悟むくっと起き上がる。低血圧なのかな。
ボーっとしている。
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