結果、恋をする。


「・・・・・・・・・。」


大悟が見えなくなるまで昌悟さんと二人で見ていた。


「・・・・・・・・・。」

「・・・・・行こ。」


昌悟さんに手を取られる。


「え?!どこにいくんですか?!」

「ええから!着いてきて。」


手をひっぱられ連れて行かれた場所は市内でも大きな病院だった。


「昌悟さん・・・ここ・・・。」

「病院。」

「さすがにあたしでも解りますよ!」

「俺の彼女ここにおんねん。」


あたしの手を掴んでいる昌悟さんの手に力が入る。


「看護師さん?」

「ついてきて。」


再び手をひかれ歩いていく。
昌悟さんは深呼吸して病院の中にある、部屋の中に入って行った。


「昌悟さん・・・?」

「しょうかいしまーす!!」


ベッドの上には薄白い顔色の女のひとが眠っていた。
目をつぶったまま、首から栄養を取れるようにチューブがついていた。


「かのじょ?」

「そー♪かわいいやろ?」


昌悟さんはベッドに座り、目をあけない彼女の頬をなでた。
私もベッドのばにあった椅子へ腰を下ろした。


「俺の彼女。カナ・・・。」


いつもとは違う静かな声で昌悟さんが言葉を出す。
彼女を愛しそう見つめいつまでも頬を撫で続ける。


グイーングイーンと音を立てながらベッドがゆれている。


「・・・・動いてる・・・。」

「ベッドやろ?床ずれ防止。」


少しの間沈黙が流れた。なんで寝てるんだろ。
どうして?事故?病気?
聞いてはダメだと思ったけどあたしを聞くことにした。


「どうしたんですか?彼女さん。」

「んー?」


頬を撫で続ける昌悟さんが重たい口を開いた。


「事故。」

「事故・・・?」

「そっ!!こいつと、大悟くんと、大悟くんの彼女・・・はるかちゃんと俺で。
 バイクで2ケツしててさ・・・。」




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