結果、恋をする。
外が暗くなっている時間。
金色の髪の毛の男が１つの病室へ入っていった。


「・・・・・・・・・・・・・。」


ピッピッピと一定の機械音がするだけの部屋。
昌悟がベッドの隣にある椅子に座る。


「・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・。」


安らかに目を閉じているだけの女の子。
昌悟はその子の頬を撫でる。


「・・・・・・ッ・・・・。」


とつぜん昌悟の目から涙があふれ出す。


「・・・・・・・・。」

「・・・・・ッ・・・・・。」


機械的な音がするだけ。


その夜その部屋からは鼻をすする音と機械音だけが聞こえ続けた。


次の日、病室の中が日の明かりで明るくなった頃昌悟はカナの手を握っていた。


「・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・。」


握り返してくれることもない。
愛しい人の手。


目を合わせて笑ってくれることもない。
愛しい人の目。


愛の言葉をささやいてくれることもない。
愛しい人の口。



昌悟はカナの口に軽く口づけをする。

眠り姫は目を開けることはない。




　
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