結果、恋をする。
「・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・。」
大悟の隣に座っておたがい無言なまま海をみた。
広い広い海。
「・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・大悟さぁ・・・。」
「あ?」
海を見たまま二人ともぽつりぽつりとしゃべりだす。
「いつまで・・・はるかさん想ってるの?」
「・・・・・・・わからん。」
「すごい傷つけるような事言うけど・・・もう会えないんだよ・・・?」
「・・・・知ってるよ。」
「・・・・・・私じゃダメなの・・・?」
「・・・・・・・・・・・。」
大悟は何も言わないままコーラを口に含んだ。
「忘れなくていいよ・・・?2番目でいいから。」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「別れんでええよ。俺の事2番目でええけぇ。」
「・・・・・・・・・ごめん。」
大悟が俯きながら答えた。
あぁもう駄目なんだな。私はそもそもスタートラインにも立ってなかったんだ。
こんなにすきなのに。
好きな人はもう二度と会えない人に恋をしつづけてしまうんだ。
「・・・・もうやめる。」
「・・・・・・は?」
私は砂浜で汚れた足を手ではたき、砂を落とした。
靴下を1本ずつ履いていく。
「大悟すきなのやめる。」
「・・・・・・・・・・。」
「一生過去の人好きでいればいいんじゃない?」
バッシュを履き立ち上がり座ったままの大悟を見つめる。
「・・・・・・・・・・・・・。」
「もう無理だよ。好きでいてもかなわないもん。」
「・・・・・・・・・いうなや。」
波の音にさらわれて大悟の声が聞こえなかった。
大悟は持っているコーラの缶を握りつぶした。
「簡単に言うなや!!!」
今までに見たこともない目でにらまれた。
「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・くそ・・・。」
大悟が立ち上がりバイクの場所まで歩いて行った。
「・・・・・・・ッ・・・・・。」
私は立ち尽くしたまま、大悟を見つめていた。
大悟はそのまま、バイクに乗り海から居なくなった。
私に目もくれずに。