結果、恋をする。

「はるか・・・おそなって勘弁してや・・・?」


まだ真新しい墓に花を供える大悟。

お墓の前で手を合わせる。


「受け止めれんかった。」


何も返事は帰ってこない。

蝉の声だけが頭を過ぎる。


「半年も、かかってしもうて・・・ごめん・・・。


でもな。忘れた訳じゃない。いつも考えてた。


あーはるかが生きとればなって・・・


あん時もさ、俺が運転しとったらよかったの・・・。


そしたらお前・・・今も隣におったかもしれん・・・。


まぁ・・・今更やけどな・・・・


でもな、俺お前の事忘れんから。」


大悟の目から一筋の涙が流れる。



「お前の事・・・ッ・・・一生忘れんから・・・。」


ザァッと冷たい風が大悟のそばを通る。


「んじゃ・・・な・・・?」



一度立ち上がり背を向けた後振り返りお墓を見る。

すっきりしたような顔をし微笑む大悟。



ブーッブーッ

ポケットの中にある携帯が揺れる。


「・・・・・・・・・・・。」


緑と赤のボタンが画面に表示されている。

緑のボタンを押した後大悟がスマホを耳に近づける。



「・・・・はい。なんやお前。今日行かんてゆうたじゃろが。」



蝉の声がやたら響く。



「・・・・・・・・・須藤が・・・?」





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