肉食系男子に、挟まれて【完結】
「ええ、今朝偶然会ったものですから。
顔を知ってるぐらいですよ」
「そうだったんですか! じゃあ、安西先生に色々教えて貰った方がいいでしょう!
山本先生は他でも経験あるので、碁盤は出来てるし。
安西先生よろしくお願いしますね!」
教頭も、気を遣ったつもりなんだろうか。
それ、全く気を遣ってませんから。
寧ろ、大迷惑ですから。
ベテラン先生つけるのが普通でしょう。
隣でニヤニヤしている辻先生なんて、適任でしょう。
と、思うけれども。
教頭先生の言葉には何も言い返せず、「よろしくお願いします、山本先生」と顔を引き攣らせながら微笑むしかなかった。
「安西ちゃん。よかったね」
話が終わってから、教室に向かう途中に辻先生がそう話しかけて来る。
それに思いっきりしかめっ面をする私。
「どこがですか」
口を尖らせながらそう言うと、辻先生はまたもや楽しそうだ。
もう、他人事だと思って。
「だって、結構イケメンじゃない?」
「そうですかあ?」
うーん、イケメンかなあ。
私にはわからない。