肉食系男子に、挟まれて【完結】
そうか、違うのか。
これは私が簡単だからなのか。
そういえば、春斗も危機感ないとか散々言っていたな。
こう言うことか。
ころっと騙されやすいのか。私は。ショックだ。
もっとしっかりしていると、私は思っていたよ。どうやら自分のことを過剰評価していたらしい。
壺とか、絶対断れるタイプだと思っていたし。
……これ、買うかもな。
自分の不甲斐なさに凹みつつ、ビールを手に持つ。
「んで、山本先生とはどうなってるの?
何かさ、最初ほどがっついてる感じがしなくて、逆に不思議なんだけど」
「あ、はは」
辻先生、恐ろしく鋭くないですか。
怖いですよ、私。
「私としてはどっちとくっつこうが、面白いんだけどね」
「いや、久住君は生徒ですから」
「関係なくない? だって、男だよ?」
「……辻先生が逆の立場ならどう思いますか?」
「ない。年下がまずタイプでない」
キッパリ言い切った。
そうだったわ。この人が年上好きだったって事忘れていた。
そりゃ、生徒との恋愛は考えないだろうな。