肉食系男子に、挟まれて【完結】
「どっち付かずな態度が一番残酷だから、それだけはやめなよ?
優しい様に見えて、一番酷いから」
「……はい」
「例え、私は安西ちゃんが生徒と付き合おうが応援するから。
黙っておくし」
「……辻先生」
うわあ、もう嬉しい。
うるうる来た。
なのに。
「だって、絶対そっちのが面白いじゃんか!
年下男の話! 山本先生、結構女経験ありそうだし」
これです。
辻先生。
ふふ、もう。反論する気にもなれませぬ。
ずっとこんな調子で、私は辻先生と飲み明かしたのだった。
少しだけ覚束ない足取りで、家路を急ぐ。
流石に夜は冷えて来たな。
酔っ払いの私には気持ちいいけど。
あー……明日何時に行こうかな。
十時には行きたいな。起きれるかな。
わからんけど、気合いだ。
マンション前に到着して、エントランスを通り抜けエレベーターのボタンを押す。
丁度、上から下がって来るエレベーター。
誰か乗っているのかな。
ピーンと音が鳴り、扉が開く。
「あ」
「あ」
そこにいたのは、春斗だった。