肉食系男子に、挟まれて【完結】

「何、ムスっとしてんの」


相当、むくれた顔をしていたんだろう。
少しイラっとした表情で春斗がそう言った。


「私の自由だし」

「そうだけど」

「じゃあ、いいじゃん」

「あんなあ!」


大きな声を出したと思ったら、ぐいっと腕を掴まれる。

想像以上の険しい表情に、息を呑んだ。



「自分の好きな女が酔っ払ってふらふら歩いてさ、どっかのヤローに襲われたりすんじゃねえかって心配になるだろ?」


その春斗の迫力に目を見開く。
……心配?



「軽く目トロンとしてるし。
そんな顔見せて歩いてたのかよ」

「……だって……眠いから」

「ならタクシーでも使えよ」

「……お金かかるし」

「……なら」



頬をがしっと掴まれて、強制的に自分の方を向かせるとしっかり視線を合わせて来る。

否が応にも顔を見なくちゃならない。
その、真剣な眼差しを。
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