肉食系男子に、挟まれて【完結】
「ならさ、俺を呼べよ? いいか?
夜中に一人で歩くな!」
一気にまくし立てた春斗は、頭をがしがしと掻くと吐き捨てるように言った。
「あー、くそ。で? 返事は?」
「……はい」
「はあ……」
盛大な溜息をつきながら、春斗は頭を抱えていた。
そんな心配なんて、絶対無駄だと思うんだけどさ。
取り越し苦労だって思うんだけどさ。
……何でだろう、少し嬉しいじゃないか。
そんなモテないし。私。
だから、酔っ払っていようと絶対に声とかかけられないのに。
現に今まで声をかけられた事はない。
心配する必要なんてないのに。
ああ。
少しだけ。
不覚にも少しだけ。
―――――――――ときめいてしまった。