肉食系男子に、挟まれて【完結】
「……笑ってんなよ」
「ふふ」
「くそ、恥ずかし……」
なんだ。
結構可愛いとこもあるんだな。
部屋の前に到着すると、私は鍵を開けた。
中に入って春斗と向かい合う。
「んじゃ、次からはまじで俺の事呼んでよ。ほら、ケイタイ」
「え」
早くしろという風に春斗が手を出す。私は渋々ながら自分のケイタイを取り出した。
春斗は自分の連絡先を私のケイタイに登録しながら口を開く。
「何時とか、迷惑とか、そんなん気にしなくていいから。
寧ろ、勝手に帰って来てその顔振りまく方が余程迷惑」
「ぶはっ、振りまくって何」
「だって、そうだろ。俺の中で、もう全てが可愛いんだから」
「…っ、よく、そんな恥ずかしい事を」
「はい。春斗って登録しておいたから」
可愛い可愛い連呼して、恥ずかしいったらない。
私はケイタイを受け取りながら、顔を俯かせた。
視線を伏せた私に、春斗はニマーっと意地悪く笑う。
それはまるで何かイタズラを思いついた悪ガキの様だ。
……恐ろしいんですけど。