肉食系男子に、挟まれて【完結】
火照った顔を冷ます様に、私はメイクを落として冷水を顔にばしゃばしゃと当てる。
それから、洗顔して化粧水を浸透する様に手の平で塗り込んで行く。
タオルで顔を拭きながらふっと、さっきの春斗を思い出した。
“ならさ、俺を呼べよ‼ いいか?
夜中に一人で歩くな!”
すっごく必死な顔だった。いつもみたいなおちゃらけた雰囲気なんて一切なかった。
私って、強引な人好きだったっけ。
好きじゃないって思っていた。
あ、ありかもだなんて、少しでも考えてしまっている自分に苦笑してしまう。完全に流されている。
あーもう、ごちゃごちゃ考えたくない。
寝る。寝てやる。
明日、世間は土曜日でも学校行くんだから。
私は一度、鏡を見てからぱんっと顔を叩いて布団に潜った。