肉食系男子に、挟まれて【完結】
翌朝、私が学校に到着したのは、昼頃。
部活の顧問をしている先生方は既に来ていて、グラウンドから元気な声が響いている。
「あ、おはようございます」
職員室には斉藤先生がいた。
丸メガネをくいっと上げながら、ぺこりとして
「おはようございます」
そう言った。
「美術部ですか」
「ええ。コンクール近いからね。
出展する生徒が来るもので」
「ああ、成程」
「安西先生は?」
「あ、私は教師バンドのピアノが不安で練習をと思いまして……」
少し恥ずかしくて、照れながら言うと斉藤先生は感嘆の声を上げる。
「偉いですね。まあ、山本先生の為ですもんね」
「え⁉ ちょ、ちょっと斉藤先生何か誤解してませんか」
「え。だって、付き合ってるんじゃないんですかね」
「付き合ってません‼ どうしてそうなるんですか‼」
「おかしいなあ」
斉藤先生は穏やかな笑みを浮かべて、くすくすと笑う。
か、からかわれている。斉藤先生にまで。