肉食系男子に、挟まれて【完結】


翌朝、私が学校に到着したのは、昼頃。


部活の顧問をしている先生方は既に来ていて、グラウンドから元気な声が響いている。


「あ、おはようございます」


職員室には斉藤先生がいた。

丸メガネをくいっと上げながら、ぺこりとして


「おはようございます」


そう言った。


「美術部ですか」

「ええ。コンクール近いからね。
出展する生徒が来るもので」

「ああ、成程」

「安西先生は?」

「あ、私は教師バンドのピアノが不安で練習をと思いまして……」


少し恥ずかしくて、照れながら言うと斉藤先生は感嘆の声を上げる。


「偉いですね。まあ、山本先生の為ですもんね」

「え⁉ ちょ、ちょっと斉藤先生何か誤解してませんか」

「え。だって、付き合ってるんじゃないんですかね」

「付き合ってません‼ どうしてそうなるんですか‼」

「おかしいなあ」


斉藤先生は穏やかな笑みを浮かべて、くすくすと笑う。


か、からかわれている。斉藤先生にまで。

< 113 / 225 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop