肉食系男子に、挟まれて【完結】


「聞いて聞いて、昨日樫君に告白してOKされた!!」

「えっ、本当に」

「はい、嬉し過ぎて泣きそうです、真央梨先生」

「よかったああ! おめでとう!仲良くするんだよ?
後、ハメは外し過ぎない様に」

「うう、はい~」


うちのクラスの真中ありすちゃん。名前は平仮名なのだ。
前々からちょこちょこ相談には乗ってたけど、そうかそうか。うまくいったのか。

嬉しいな。
こないだちゃんと気持ちは伝えなって言ったんだよね。


学生の時の恋愛って、一生懸命だったよなあって思い出す。
……なんか遠い過去の様な気がするわ。


彼氏いない歴、既に五年か。
ちょっとこうやってがむしゃらに頑張る生徒を見ると、寂しい気持ちが見え隠れするのは嘘じゃない。


だけど、それはすぐに日々の生活に埋もれてしまって忘れてしまうのだけど。


そんな真中さんと別れてから、私は職員室に戻る。
と、途中で出会ってしまった。バッタリとあの男に。


「あ」
「あ」



……山本先生。
私を見るやいなやにっこりと笑顔を見せる山本先生。



「安西先生、どうもー」

「はあ」


軽い口調で手をあげ話しかける山本先生に、眉をピクピクとしながら、私は取ってつけた様な笑顔を作る。

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