肉食系男子に、挟まれて【完結】
「先生って俺の事、子供と思ってますよね?」
いや、子供でなくて生徒。
……どうなんだ、これは子供だと思っているのか?
だけど、鋭く私を見つめるその瞳に心臓がドクンと跳ねる。
何も言えずに俯く私の腕を、久住君がぐいっと引っ張った。
離そうとしても、がっちりと掴まれていて離れない。
……男の人の、力だ。
それから連れ込まれたのは路地裏。
私を壁にドンっと押しやると、両手首を掴んで身動き取れない様に固めた。
それに驚き、目を真ん丸に見開く。
「……俺も男ですよ?」
初めて、久住君を怖いと感じた。
私の力じゃ手首はぴくりとも動かない。
ふわふわしている男の子だと思っていたのに。
可愛くって、癒し系で、辻先生にワンコって言われちゃうような男の子。それなのに。
……まざまざと男だって事を見せつけられた気がした。