肉食系男子に、挟まれて【完結】
「オイコラ」
「コワーイ。真央梨コワーイ」
「春斗、覗き見とか悪趣味ですから」
「いや、鼻歌ずっと歌ってて機嫌良さそうだったのに、急に静かになったから気になったんだよ。
したら腕を組んで険しい顔してる真央梨がいるじゃん?
これは笑うでしょ」
「は、鼻歌聞こえてたの⁉」
まず、そこに驚きなんですけど!
予想外なんですけど!
恥ずかしい以外の何者でもないんですけど!!
穴があったら入りたい。切実。
「ばっちしね。しかも、MAYとは」
ほら、頭に残っているじゃん? 最近ずっと聞いているし。
ノリノリで窓を開けながら歌っていたからだ。
「んで、何を悩んでたの」
「……あの、今日のご飯を…」
気恥ずかしさから思いっ切り小声になってしまったのは、しょうがない。
「今からそっち行っていい?」
「……どうぞ」
「んじゃ、待ってて」
ニカっと笑うと、春斗は部屋の中へと入って行く。