肉食系男子に、挟まれて【完結】
「まじでウケる」
か、からかったな。
こいつ、私で遊び過ぎですから。金取るぞ。
もう弁償しろと言われても絶対にしてやらん。
私はふんっと鼻を鳴らしながら、春斗を追い越すと先に歩いて行った。
「ごめんごめんて。真央梨、何かからかいたくなるんだよね」
「私はオモチャじゃないんですけどー」
「うわ、思いっ切り棒読み」
「次からかうごとに何かしてもらうからねー」
「何だろう、……怖い」
「ふふ」
不敵な笑みを見せると、春斗は少しだけ顔を青ざめていた。
いつも行くスーパーに到着すると、様々な食材をカゴに入れて行く。
カゴは春斗が持ってくれて、こんなとこでも男を意識させる。
私には絶対に重い物持たせようとしない。
「ビールだろーサワーだろー」
私の好きなビールまで覚えてるとか、どんだけですか。
こうやって冷静に見ると、春斗って一緒にいて楽しいし。所々強引だけど、基本は優しい。
スペック高いよなあとしみじみと思う。
料理も上手で、部屋も綺麗。
そんな女子力高いとこが少しだけ気になるけど。
春斗は私に女子力なくても気にしなさそうだが。