肉食系男子に、挟まれて【完結】
「結構買ったな」
「だね」
レジで支払いになった時、私が財布を出すと春斗が無言でそれを制す。
疑問に思って春斗を見ると、春斗は私の分までお金を支払ってくれた。
「え、ちょ、払うんだけど」
「いらないって」
「だって、私も結構買ったし」
「いいから黙って男に奢られなさい」
「………ありがとう」
「ん」
ほら、男らしいし、優しい。
こういうとこに私はドギマギしてしまうんだ。
どんな反応したらいいのかわからない。
やっぱりレジ袋を持たせてくれない春斗と、私は肩を並べて帰路につく。
両手に重そうな袋をぶら下げてる春斗。
「焼き鳥は無理だから、照り焼きっぽいの作ってやるから」
「私は作らなくていいの?」
「真央梨は豆腐に醤油とネギよろしく」
「……それ、料理って言わない気がする」
「そう?」
「そうです」
私だって、一応出来るんだから。
その照り焼きっぽいのってのが作り方イマイチわからないけど。
いつも○○のタレとか、買ってきちゃうからな。私。
だって、鉄板なんだもん。それをかけていたら外さないし、間違いないから。
下手に自分で合わせ調味料作るよりいいんだもん。
そう考えていると、私の携帯が震える。
ポケットから携帯を取り出して画面を確認すると、知らない番号だった。
誰だろう?