肉食系男子に、挟まれて【完結】

「……っ、春斗⁉」



痛みと驚きと恐怖で顔を歪める。
がっちりと手首を掴まれていて、動けない。



「真央梨」


私の耳元で、低く優しく囁く。
それに背中が粟立つ。


「このまま、無理矢理俺のにしてもいい?」

「はっ⁉ ダメ、ダメでしょ!」

「……やだ」

「やだって」


じいっと見つめると、春斗は眉根を寄せる。


「は? お前、まじで俺の事誘ってんの?」

「え?」


さ、誘ってない。
誘ってなんかない。


ゆっくりと春斗は顔を近付けると、首筋にちゅっとキスをした。
それに体がびくっと反応する。



クスリと春斗が笑うから、かああっと顔が熱くなっていく。


だ、だって、慣れていないんだ。
仕方ないじゃないか。



春斗が手首を解放したと思ったら、突然その腕は私の足元へと回る。

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