肉食系男子に、挟まれて【完結】
「きゃあっ!」
思わず大きな声を出してしまったが、それは仕方ないと思う。
だって、急にお姫様抱っこされたんだ。
「お、おろして!」
「無理」
春斗はそのままリビングへと進み、私をベッドへと下ろす。
それから、私の体の上に跨った。
再度、体の身動きが取れない。
「真央梨」
「……やめて」
「好きだ」
「……嫌だ」
「……どうしても無理なら、俺を嫌いって言えよ」
「……」
その春斗の真剣な眼差しに言葉が詰まる。
「あんたなんか大嫌いって言えよ!」
シンっと静まり返った部屋。
その顔が、辛そうで。
今にも泣きそうで、苦しい。
「……まじで、余裕ねえ……。十六のガキにバカみてえに嫉妬しているとか」
静かに私の上に倒れ込むと、彼は私をぎゅうっと抱き締めた。
ドキドキと心臓がさっきからうるさく鳴り続けている。耳元で囁かないで欲しい。
体温が上昇していくのがわかる。
「このまま俺のモノになっちゃえよ」
「……何言って、」
「……ごめん。あー。
悪いけど、ちょっと一人にして貰っていい?
このままじゃきっと俺、真央梨に酷い事する」