肉食系男子に、挟まれて【完結】


……あー、もううじうじと。
今日、飲もう。
思いっ切り飲もう。

それしかない。家で飲んだら間違いなく春斗のことを思い出す。


それなら辻先生を誘おう。辻先生なら何て言うかな。
楽しそうに根掘り葉掘り聞いてきて、最終的に私にちゃんとアドバイスをくれそうだ。


金曜日から進展ありまくりですからねって言ったら間違いなく飲みに応じてくれるはず。
練習の後で遅くなったとしても。


そうと決めてからの演奏は、少しだけ上手く弾けた気がした。



職員室に戻ると、そこには春斗がいて思いっ切り目が合ってしまった。



「安西先生、おはようございます」

「あ、おはようございます」


ニコリともせずに春斗が言った。
だから、私もそれだけ告げてすぐに自分の机へと向かう。


机に楽譜を置いて、椅子を引く。
隣に辻先生がいない。


トイレかな。


楽譜を引き出しにしまってから、私は文化祭のプリント作成。
それに集中してると、肩をぽんっと叩かれた。

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