肉食系男子に、挟まれて【完結】
カタカタと集中して文字を打ち込んでいると、
「安西先生」
と、声がかかった。
「はい」
振り向くと、そこにいたのはニコニコ顔の山本先生。
うげって顔をしないように必死に笑顔を作る私。うん、頑張った。
「例年の文化祭の資料ってないですか」
「ああ、えっとここに」
そう言いながら、私は自分の机の引き出しを開ける。
そこからファイルを取り出して渡した。
それをパラパラと捲りながら、山本先生は目を真ん丸にする。
「え。先生の手作りですか」
「そうですけど」
一応、行事についてなどの資料はノートや、ファイル等で一つにまとまっている。
最近ではパソコンで保管していたりもするけれど。
それを取り出せば、すぐにわかるのも確か。
大体の流れ、経費や当日のタイムスケジュールなどを把握は出来る。
だけど、私は自分のファイルを作っていた。
どういう算段で場所や内容を決めたとか、一応細かく記載しておいたんだ。
部活の人数だって、毎年変わるしね。
私の場合はただ、やらないと気が済まないってだけだけど。
要領悪いってのもあるかも。
辻先生はそんな事していないし。