肉食系男子に、挟まれて【完結】
どっちにしろ、私が何か言える立場じゃないのは確かだ。
だからこそ、私は普通に接しないと。もしかしたら、さっきの態度は素っ気なかったのかも。
普通に。普通に。
それから私は授業に向かう。
今日は久住君のクラスの授業はない。
その所為か、久住君の顔を見る事がなく時間が過ぎて行く。
同時に春斗の顔も見る事がなかったから、余計な事を考えずに済んだ。
昼になり、職員室でパンを頬張る。
その後ろでは春斗がお弁当を広げていた。
「山本先生、今日のお弁当もすっごく美味しそうですねえ」
話かけているのは辻先生だ。
一言二言、会話をしてから私の隣へとやって来る。
「安西ちゃん、好きだね、そのパン」
「ハイ。めっちゃ好きです」
昔から私が大好きなあんぱんだ。
子供っぽいとか、色々言われたけど好きなんだから仕方ない。
そして、好きになったきっかけが昔の刑事や探偵を真似してだなんてもっと言えない。
捜査している時に牛乳とあんぱんを食べるんだあって子供ながらに感動して、食べる様になったんだ。
それで、食べてみたら美味しくて、牛乳とあんぱんの組み合わせ最強。と、今でも思っている。
牛乳がコーヒーになったのが、少しだけ大人になったって事かな。