肉食系男子に、挟まれて【完結】
どっちつかずな気持ち
私達はいつも行く居酒屋へと向かった。
席に着いて、すぐに頼むのは生ビール。やっぱりお決まりだ。
料理を頼んでいると、生ビールが運ばれて来てカンパイをする。
「んーうまい」
「ですねえ」
「んでー? 話してみなさい。お姉さんに」
「あー、えっと」
どう言おうか、口籠ってる間も辻先生はぐびぐびとビールを流し込む。
あっという間にジョッキの中身は空だ。
なんて、ペースが早い。
「どこから話そうかな」
「ゆっくり一から話せばいいよ」
「私、春斗が好きなんでしょうか」
「……春斗? って、山本先生?」
そうだ、春斗って言っていることは誰も知らないんだった。辻先生ですら。
しまったって顔してももう遅い。
ニヤリと面白いネタを仕入れたって笑みを浮かべながら、「それで?」なんて聞いてくる。
「あ、あの、はる……いや、山本先生が」
「いいよいいよ、春斗でも」
クククって魔女みたいな笑い方をする辻先生。