肉食系男子に、挟まれて【完結】


「んで? ワンコとは何があったの。どうしてそう思ったの」

「はい?」


辻先生の思ってもない質問に、変な声が出た。



「それ聞いてない」

「……い、言わないとダメですか」

「当たり前でしょ」

「ですよね」



これは逃げられない。

そう確信した私は、観念してこないだあった事を話し出す。
音楽室での事、定食屋での事。

思い出しながら、少しずつ。


聞いてる時の辻先生は目をこれでもかってほど、キラキラとさせていた。


「わあ……思ってた以上に、久住君は狼だな」

「……そう思います」

「あんな見た目で肉食なんだね」

「はい。見た目に完璧騙されました」

「それにドキっとしたと」

「……ええ、まあ」



そうです、図星です。何も言えません。
だって、急に豹変するからドキドキ半端なかったし。
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