肉食系男子に、挟まれて【完結】

翌日。
学校に到着した私は元気よく職員室の扉を開ける。


そこにいたのは春斗。
早いな、来るの。


「山本先生、おはようございます」

「おはようございます。……なんかご機嫌ですね」

「そうですかね?」

「そう見えます」

「あははっ」


モヤモヤしてたけど、焦らなくていいんだって思えたら少しだけ冷静になれたんだよね。

それに、私が答えを出した時に、同じ答えを求めないって決めたら余計にホッとしたというか。


両想いである必要はないのかって。
今、二人に迫られてたからどちらかにしなくちゃって焦ってたけど。

その必要がないんだって、辻先生に言われて気付いた。


“それか、どっちも好きじゃないか”


久住君にドキドキしてるのは本当。
春斗に距離を取るって言われて胸が痛んだのも本当。


好きじゃないって事はないと思う。
でも、まだ見えないだけ。


現段階ではそれが一番しっくり来る答えだと思った。

< 174 / 225 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop