肉食系男子に、挟まれて【完結】
翌日。
学校に到着した私は元気よく職員室の扉を開ける。
そこにいたのは春斗。
早いな、来るの。
「山本先生、おはようございます」
「おはようございます。……なんかご機嫌ですね」
「そうですかね?」
「そう見えます」
「あははっ」
モヤモヤしてたけど、焦らなくていいんだって思えたら少しだけ冷静になれたんだよね。
それに、私が答えを出した時に、同じ答えを求めないって決めたら余計にホッとしたというか。
両想いである必要はないのかって。
今、二人に迫られてたからどちらかにしなくちゃって焦ってたけど。
その必要がないんだって、辻先生に言われて気付いた。
“それか、どっちも好きじゃないか”
久住君にドキドキしてるのは本当。
春斗に距離を取るって言われて胸が痛んだのも本当。
好きじゃないって事はないと思う。
でも、まだ見えないだけ。
現段階ではそれが一番しっくり来る答えだと思った。