肉食系男子に、挟まれて【完結】
「どうしたの?」
「熱出したみたいでね。
そろそろ文化祭なのに風邪引くとかツイてねえ」
「大丈夫なの?」
「大丈夫でしょ。まお先生がお見舞いに行ったら即復活するんじゃね?」
「えっ!?」
兼田君はニヤニヤとしながら、私を見て来る。
ちょ、ちょっと! 何を言い出すんだ、この子は!
「行ってあげなよー」
「いや、担任じゃないからね。
行くなら兼田君行ってあげて」
「俺、家遠いもん」
「それなら他の近い生徒が行くのがベスト。
私が行くのはおかしいです。ほらっ、授業授業!」
「ええ」
そう言いながら、強引に兼田君をクラスへと押し込む。
それと一緒にチャイムも鳴って、生徒達は席に着いた。
空いた久住君の席を見る。
やっぱり気になってしまう。
それは授業が終わり、放課後になってもだ。
大丈夫かな、久住君。
熱って、風邪かな。
咳とか酷いのかな。
文化祭、ちゃんと出られるのかな。
様々な疑問だけが頭に浮かんで行く。
……ああああ、気になる。