肉食系男子に、挟まれて【完結】
ストレートな春斗の告白。
それは私の心にじわりと染み渡っていく。
初めて好きだって言われた時よりもずっと。
「距離取って、改めて思った。真央梨のこと放したくねえなって」
少しだけ私の方へ顔を傾け、視線をこちらに向ける。
「俺と付き合って」
私は春斗に握られていない方の手にぎゅっと力を込めた。
焦って強引に答えを求める春斗はもういない。
ゆっくりとちゃんと一人で考えて出した答えなんだっていうのが伝わった。
だからこそ、この告白を断ったら春斗は距離を取るのではなく、今度こそ私のことを諦めるだろう。
何故か、胸がちくりと痛んだ。
「答えは今すぐじゃなくていい。……文化祭の後。それでもいい?」
「……わかった」
私は春斗の目を見てしっかりと頷く。
「伝えたいのはそれだけ。遅いし、送る。一緒に帰ろう」
「うん」