肉食系男子に、挟まれて【完結】
「フリフリとしたメイド服なんて、痛いに決まってるじゃん!? もうアラサーだよ!?」
「え、全然似合いそうじゃん。見たいけど」
「無理無理」
「ま、俺以外のヤローに見られるのは嫌だからいっか」
また。……またすぐそういうこと言う。折角意識しないで話せていたのに。また意識しちゃうじゃん。
わかっている。春斗はただ正直に気持ちを伝えているだけだってのは。
私がバカみたいに意識しているだけ。
改めて告白をされて、最初に告白をされた時のような困惑はなかった。
寧ろ、嬉しさが勝っていた。
―――――私、きっと春斗が好きなんだ。
こんなに胸がドキドキしているのも、意識してしまうのも、春斗が好きだからだって言うのなら説明がつく。
きゅっと下唇を噛む。
「なんか、ほっぺピンク。酔った?」
スッと手を伸ばして私の頬に触れようとする春斗に、咄嗟に体を引いてしまった。
酔ってなんかいない。原因はドキドキしているから。紅潮しているだけ。
「あ、ごめん」
そうやって、手を引っ込めながら申し訳なさそうに春斗は言った。
拒絶されたときっと春斗は思っている。
「違う、嫌なわけじゃなくて、その」
どういったらいいかわからなくて口籠る私に、春斗は訝しげな顔をした。