肉食系男子に、挟まれて【完結】
「さってと。授業ですよーと」
「そうですね、行きますか」
私達は立ち上がると、教科書等を持ち職員室を出た。
その翌日、久住君のマスクは外れていた。
まだ軽く咳はするそうだが、大分調子はいいらしい。
それにホッとする。
文化祭はもう明日だ。
この調子なら体調が悪いからなんて事はなさそうだ。
よかったよかった。
今日は文化祭の準備で皆忙しい。
委員になっている生徒は慌ただしく動き回っていた。
私も私で学校中、あちこちを駆け巡る。
教師バンドの準備もあるし、自分のクラスも確認しなきゃならないし。
メイド喫茶の方は順調そうだった。
看板も出来ていたし、衣装もすごく可愛かった。
「まお先生! ちょうどいいとこにいた!」
そう言って声をかけてきたのは真中さんだ。
「どうしたの?」
「ちょっとクラス来てください!」
「えっ!?」
理由も言わずにがしっと私の腕を掴むと、ぐいっと強引に私を引っ張っていく。
何々!? 何があったの!?
よくわからず、クラスで何か問題が起きたのかと思い黙ってついていく。
クラスから騒がしい声がして、何事かと思い真中さんとともに中を覗いた。
そこにいたのは学生服を着た――――春斗だった。