肉食系男子に、挟まれて【完結】
「ほらほら、準備しねえと帰る時間もっと遅くなるぞー。
お化け出るぞー」
「え。お化け!?」
「そうそう、お化け。出るって知らないの?」
「し、知らない!」
「昔虐められた事を苦に自殺した女の子がだな…」
「ええ」
女子生徒達は抱き合いながら、春斗の言葉に耳を傾けている。
そんな噂、知らないし、聞いた事もない。
「なんてな。うっそぴょ~ん」
「は」
「え」
春斗がべっと舌を出してそういうと、目を点にして口をポカンと開ける彼女達。
「何だー!嘘だったの!」
「よかったー」
「山本先生、本当かと思ったー」
きゃっきゃと笑う彼女達。
その子達に春斗は優しく微笑むと、人差し指を立てた。
「だけど、あんま遅くなったら不審者だって出て来るし、特に女子は危ないからな。
早めに終わらせる事。だけど、あんまり遅くなるなら男子に送って貰う事ー」
「男子にー?」
「山本先生がいいー」
「確かにー」
だなんて会話が弾んでいる。
「ほら、俺達教師もやる事あるんだから準備しろ」
「はーい」
女子たちが去った後、コンコンと教室の扉をノックした。